猛獣に射抜かれる様な愛


「やめとけ」


「…は、離して!どうして貴方が此処にいるのよ。邪魔しないで」




結菜の手首を掴んでいる相手へ振り返ればそこには結菜を見下ろす矢斗の姿があった



俊也は助かったと言わんばかりに身体の力が抜けその場に崩れたまま安堵する



結菜は矢斗の手を振り解こうと力を込めるが、力の差が有り過ぎてビクともせず矢斗は結菜の手から無理矢理ナイフを奪った




「お前もこいつと同罪になりてーのか?問題を起こすな」


「…うるさいわね。放っておいてよ。貴方には関係ない事でしょ」


「やるなら辞表を出してからやれ。今のままなら後始末するのは俺だ。面倒臭い事させるな」




結菜は自分の耳を疑った



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