猛獣に射抜かれる様な愛
「…おい」
「はい!どうかしたんですか」
「俺も囚人に話したい事があるから、後5分時間をくれ」
「何かあったんですか!?」
「いや、大した事はない」
「は、はっ!わかりました!」
矢斗の冷酷な視線と地位からして看守達は逆らう事が出来ずに再び看守部屋へと戻って行く
結菜を連れ刑務所を出た所で漸く矢斗は結菜の手を解放し煙草に火をつけ一服する
「どうして邪魔するのよ?馬鹿じゃない貴方」
「何とでも言え」
結菜は腹の虫が収まらず煙草を吸う矢斗をじっと見詰めていた。