猛獣に射抜かれる様な愛


眠たくても中々寝付けない上、眠りに付いたと思ったら悪夢にうなされ目が覚める



ここ一週間同じ事の繰り返し



“私ってこんなに弱かったっけ?精神力は強い方だと思うんだけどなぁ…”



一人小さく呟けば、リビングのソファーへ腰を下ろし電源の入っていないテレビを見詰める



死んだ人はもう帰って来ない



矢斗に言われたあの時の言葉が幾度も己の中を支配する



そんな事は痛い程わかっている。だって、家族の喪主を務めたのは結菜なのだから。



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