猛獣に射抜かれる様な愛



熱があるのかな?



それとも目眩のせいで頭が回らない?よくわからないけど…何せ、しんどい…




「結菜?顔色悪くない?体調悪いの?大丈夫?」




私の顔を覗き込むのは葵依。葵依は凄く周りの事を見ているからかいち早く私の具合に気付く




「あ、いいえ、大丈夫。少し寝不足が続いた日があったらきっと眠たいのね」


「寝不足だけ?」


「ええ、そう」


「そっか。ならいいんだけど。明日は休みだからゆっくり寝なきゃ駄目だよ?寝不足は美容の大敵でもあるんだから」


「ええ、有難う。明日はゆっくり休む……―――」


「ゆ、結菜!?大丈夫!?結菜!?結菜!」




あれ…?



何かおかしい



頭がふわふわして…



浮いてるみたい…?



葵依の声が…遠くに…―――。



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