猛獣に射抜かれる様な愛


「行くぞ」


「…ねぇ、此処は何処なの?」




矢斗に次いで車から降りればそこは…病院…?



此処は確か魁がお世話になっていた病院よね。どうして病院なんかに…?




「病院だ。それより、歩けるか?」


「うん、目眩してないし歩けるよ。病院って…診て貰えって事?」


「あぁ」


「私なら大丈夫よ。明日休みだし寝ていたら治るから大丈夫。大の大人が少々の事で病院なんて嫌よ」


「お前はどこまで鈍感だ。自分の体調もわからないのか」


「え?何が?」


「とにかく行くぞ」


「ちょっ、ちょっと!」




矢斗は私の二の腕を掴むとそのまま強制的に病院へと連れられた。



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