猛獣に射抜かれる様な愛


「…結菜っ」


「ちょっと待って」




こちらへ飛び付いて来る譲を至近距離でじっと見つめ小さく息を吐く




「普通にしても面白くないでしょう?今夜は私がリードしてあげるから、譲は横になって?」




余程興奮してるのか譲は咄嗟に横になり、その隙を付いてベッドから下り落ちていたナイフの刃先を上向かせ足で固定すると手首を縛っている縄を切る様に刃先へ縄を擦り付ける


流石、太い縄だけあって中々切る事が出来ず悪戦苦闘する


私の不審な動きに気付いた譲はベッドから起き上がると血相を変えベッドを下りこちらへ向かって来た


…気付かれた


もうこれはナイフを使いガチで勝負するしかないと身構えた刹那…ドア付近から大きな物音がした。



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