猛獣に射抜かれる様な愛
「…ぐはっ!貴様!」
譲は矢斗の腕から逃れ様と身を捩り暴れ様とするものの矢斗はビクともせず掴んだ襟首を離さない
当たり前よね。貴方とじゃ身体の大きさが全然違うし力だって天と地程違うに決まってる
馬鹿な男
「…出来るだけ長くぶち込んで貰える様に検察庁へ言っておくわね」
「…なっ」
「さようなら」
「…ゆ、結菜っ!」
矢斗はドアの向こうで待っている刑事へと譲を引き渡し部屋へと入って来た
「何て格好してやがる」
「仕方ないでしょ、手を拘束されていて融通利かないんだから」
「…遣られたのか?」
「ええ多分。薬飲まされて寝てる時にね」
矢斗はナイフで手を拘束している縄を切りながら言葉を紡いだ。