猛獣に射抜かれる様な愛


重苦しい空気の中、ソファーに腰を下ろし矢斗は立ったまま話始めた




「莉菜が亡くなる一年前から俺達は付き合ってた。妹のお前が居る事は聞いていたが、顔までは知らなかった」


「……………」


「お前が莉菜の妹だと気付いたのは、初めて会った時だ」


「バーでの事?」


「あぁそうだ。あの時のお前の目は死んだ様な希望のない目だった。莉菜を護れなかった責任感から…せめてお前を救ってやりたいと…思ったんだ」




矢斗は…私が姉さんの妹だと知ってて…面倒みてたって事…?



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