猛獣に射抜かれる様な愛
どんなに過酷な試練も、どんな困難な事も、貴方となら勇気を出して乗り越えて行ける気がする
今まで乗り越えて来た様に
「…結菜。これからも俺の傍に居てくれないか?」
「…ええ、勿論」
「有難う。有難うな、結菜」
「皆には秘密ね。言ったらうるさいだろうし、部署の移動になっても嫌だもの」
「ああ、そうだな」
「姉さんの分まで幸せになりたい、私…」
「ああ、そうだな」
「あ、だけど…姉さんと比べるのは嫌よ?姉さんには敵わないんだから」
「お前にはお前の良い所がある。莉菜には持ち合わせてない所が沢山ある」
矢斗は身体を離し、骨張った大きな手で頭を優しく撫でてくれる。