猛獣に射抜かれる様な愛
「お前は過去に通り魔の事件に巻き込まれた被害者の内の一人だろ。お前だけでなく、母親もな」
「……どうしてその事」
「その後信じた男に騙され、お前は感情を無くしたと言うよりトラウマになってるだけだ」
「…どうして貴方がその事知ってるの?」
「さあな。お前は感情を持つ事に対し恐怖心を抱いてる。つまり感情があるって事だ。わかるか?感情無くした振り等して何になる?お前は…―――」
「だから、何で知ってるのかって聞いてるの!!なんなの一体!?」
結菜は感情的になり顎を摘まんでいた矢斗の手を振り払い矢斗の胸倉をぐっと掴み睨む様に見詰めた
矢斗は全く動じる事が無く暫く結菜を見詰めていた。