猛獣に射抜かれる様な愛


「おぉこりゃまた珍しい客人だな」




牢獄へ入るなり俊也は立ち上がり結菜へと視線を向ける



無精髭が此処での生活っぷりを表す中、驚きもせず相変わらず脳天気なそぶりが腹立たしい



結菜は今にも殺してやりたい衝動に駆られる中、ガーターに差し込んでいたナイフを取り出した




「…何?もしかして復讐でもしに来たのか?」


「ええ、そう」


「俺は何もしちゃいない。お前の両親に次いで姉が勝手に自殺したんだろ。俺は関係ない」


「ふん、良くもまぁそんな事言えたものね。俺は関係ない?本気でそう思ってるの?」




結菜は不適な笑みを浮かべれば右手に握って居たナイフを俊也の太腿へ思い切り突き刺した




「うぐぁぁっ!」


「どう?痛い?貴方は馬鹿だから痛み感じないんじゃない?」




俊也は後ろの壁を背凭れにし崩れる様にその場に尻餅をついた。



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