ヘタレ★ヒーロー
「???お近づきに?十分お近づきになってると…」
「まぁその…つまり、坊ちゃまに恋愛というものを教えてあげてもらいたいのです」
「なんだと!?それは凜子にあんたらのためにあのガキと愛を育めって言うのか!?凜子は恋愛経験ゼロだぞ!!」
「アニキ!!!!」
アニキはシュンとした。
まったく…。
「でもアニキの言うとおりです。私は蓮見くんに恋愛を教えるほど…」
「構いません。別に恋人同士になれと言っているわけではありません。それはこっちにとっても好都合とは言えませんし、橘様にもご迷惑かと。ただ坊ちゃまにそのような感情や女性に対する敵対意識をなくしていただきたいのです。坊ちゃまも橘様には心を開いているようですし。引き受けてはくれないでしょうか」
土方さんはホントに参っているようだ。
どうしよう。
「報酬もしっかり用意しております」
「よーし乗った!」
「アニキ!!」
我がアニキながら薄情者め。
「まぁわかりました。引き受けます」
こうして私は土方さんの願いを受けた。