ヘタレ★ヒーロー
「蓮見くんっっっ」
蓮見くんは驚いたような顔をした。
私は少し息を整えながら次の言葉を考えた。
「凜子…、…俺のこと、…怒ってる?」
「怒ってない」
私は首を振りながら答えた。
「あのとき、謝ったのは、その、凜子の初めて、俺みたいな凜子が好きでもないような奴が奪っちゃって、勝手なこと、したなぁ…って」
蓮見くんは制服の袖で真っ赤な顔を隠しながら言った。
「…私が怒ったのは、…蓮見くんのことが、その…」
「?」