大きなクリスマスツリーの下で
八年目の決意

「兄さん・・・・・・! どうしたんだ? 」

突然、誠司の前に兄の涼が現れた。

黒のタキシード姿の誠司が、『どうしてここにいるんだ・・・・・・?』と、言わんばかりに目を丸くした。

井原誠司は、ロサンゼルス市内にあるホテルのレストランで、チーフ・マネジャーの仕事をしている。

フロント係から面会の客がいると連絡を受けた。

フロントのロビーで兄と再会した時、懐かしさより驚きを先に感じた。



「旅行に来たんだよ。おまえの顔を見たいと思ってな」

涼は、誠司と会えて嬉しいそうに答えた。






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