大きなクリスマスツリーの下で
誠司は、プレスリーをまねて低音の太い声で、『好きにならずにいられない』を歌い始めた。

その歌は、高校の文化祭でバンド演奏した歌だった。
ボーカルを担当していた誠司は、英語の歌詞にカタカナをつけて覚えた歌だった。

不思議と今でも覚えている。
歌い始めると、次から次へと英語の歌詞が出てくる。

エミリーは興味深く歌を聞いた。

突然、エミリーがクスッと笑った。
誠司の歌い方が、おもしろく思えたためだった。

歌い終えた誠司は、エミリーの前で笑顔を見せた。
それは、自分に照れているようにも見える。











< 25 / 95 >

この作品をシェア

pagetop