大きなクリスマスツリーの下で
今度は、エミリーが、『好きにならずにいられない』を歌い始めた。

誠司もエミリーに合わせるように歌う。

歌え終えた時、二人に笑顔があった。

それは二人に共感できるものの発見であり、親しみが生まれた瞬間だった。

誠司は、『ス・キ・ニ・ナ・ラ・ズ・ニ・イ・ラ・レ・ナ・イ』と、ゆっくり日本語で言った後、愛の歌だと説明した。

「ア・・・・・・アイ」と、エミリーは誠司の言葉をまねるように言う。

誠司は、愛とは英語でラブだと説明する。
その言葉にエミリーは、納得するように頷いた。

エミリーが、誠司から教えられた初めての日本語は愛だった。


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