大きなクリスマスツリーの下で
誠司は、エミリーの父親に呼び出された。

父親は、硬い表情で娘と別れてほしいと頼むように言った。

エミリーはひとり娘である。
そのため父親が経営している事業の後継者になる。

エミリーの夫になる人物は、自分の事業を手伝ってもらう相手になる。

父親の目から見ると、誠司はエミリーの恋人としては不服ではない。だが、夫になる相手となると話は別だった。

その頃の誠司は、まだ中ぶらりの考えで生きていた。

誠司自身、このままアメリカで生きてゆく決意は出来ていない。
エミリーと結婚して、アメリカで骨をうずめることなど考えてもいなかった。





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