大きなクリスマスツリーの下で
誠司は運転中、エミリーとは何も話さなかった。

助手席でエミリーが、フロリダに行くことを聞いても、
「うん・・・・・・」と、誠司はどっちつかずの返事をする。

誠司の様子がおかしい。
エミリーは、誠司のことが心配になってきた。

車がエミリーの邸宅前に着いた。
エミリーは車から降りて、運転席のドアの方に移動した。
窓が開き、運転席に座った誠司の横顔がある。

「ネェ、セイジ・・・・・・悩ミゴトデモ、アルノ? 今日ノ、セイジハ、元気ナイヨウダケド ? 」
エミリーが、誠司に対して気になることを聞いた。

「・・・・・・・」
誠司は、何も答えず黙ったままだった。
今しか別れを切り出すチャンスはないと思った。

「ドウシタノ? 」
エミリーが、誠司を心配するように聞いた。

誠司は、思い切るように車から降りた。











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