大きなクリスマスツリーの下で

二人はベニスビーチにいた。

「暑いな・・・・・・・日本もアメリカも夏は同じだな」
涼は、砂浜に立ちハンカチで顔の汗を拭き取った。

パラソルが何本か立つて、まばらに水着姿の男女がいる。
夏も終わろうとしていたが、まだまだ陽射しは厳しい。

海から風が、二人の間を吹きぬける。

二人の前を、痩せたスタイルのいい女性が通り過ぎる。

女性は、サングラスをかけてブロンズのロングヘアーを風になびかせていた。
白いTシャツに突き上がった胸のふくらみが印象的だった。

「アメリカって感じだな・・・・・・」
女性にうっとり見とれていた涼が、ボソリと言った。

「何見とれているんだよ」
誠司が、あきれたように涼に言う。

誠司の言葉に涼は、我に戻ったように海を見た。





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