大きなクリスマスツリーの下で
「ジェーンすまなかったな。兄さんのために、わざわざロスまで来てくれて・・・・・・兄さんも水くさいんだよ。ジェーンと会う約束をしていたなら、そう言えばいいのに」

誠司が、ジェーンのグラスにビールを注ぎながら言う。

「気ニシナイデ。私、オ兄サンカラ手紙ヲイタダイタノ。八月ニロスニ来ルコトヲ」
ジェーンは、ビールに口をつける。

「えっ!? 兄さん・・・・・・ジェーンの新居の住所を知っていたのか? 」
誠司は、不思議そうに涼の顔を見て聞いた。



「ジェーンから絵はがきをもらったんだ。それに、新居の住所が書いてあったんだ・・・・・・なあ、ジェーン? 」

涼が思いついたように言う。

「ソ、ソウヨ・・・・・・・」
ジェーンは言葉をつまらせて答えた。







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