大きなクリスマスツリーの下で
「おまえ、ジェーンの新居は知らないのか? 」
涼は、不思議な顔をして誠司に聞く。

「ああ、知らない。ジェーンはロスに来る機会が多いから、会おうと思えば、いつでも会えるからね」

「ソウデス」
ジェーンも頷く。

ジェーンは、夫が営む貿易会社を手伝っている。今はサンフランシスコに住んでいる。
夫婦そろって、月に三、四回ロスに来て仕事をする。

そのためアパートメントは、セカンドハウスがわりに利用していることを、ジェーンは涼に説明した。

「なるほど・・・・・・」
涼は納得したように言う。

「ところで、トムはどうしたの? 」
誠司は、ジェーンの夫のことを聞いた。

「今日ワ遅クナルミタイ。取引先ノ人と会ウ予定ガアルノ」
ジェーンが説明した時、扉が開いた。



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