大きなクリスマスツリーの下で
「・・・・・・」
誠司は黙ったままだった。
今の誠司にとっては、はっきり答えることはできないことだった。

「はっきり言えないのか!? 」
と、聞いた後、涼はあきれた表情をする。

「今は、なんとも言えないが・・・・・・でも、俺はフラフラなんかしてニューヨークに行くんじゃないんだ」
誠司は、うつむきながら答えて、キッチンを出てゆく。

「セイジ! 」
ジェーンが、誠司の後を追いかける。

キッチンに涼とトムが、二人きりになった。
座は一気にしらけてしまった。

涼は、気を取り戻してフルーツを大皿に盛り始めた。

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