大きなクリスマスツリーの下で
誠司は、ベランダに出て外の景色を見ていた。

建物の窓灯りが、所々まばらに照らしている。
ベランダ下から、車の走行する音が聞こえてくる。
夏の終わりの夜風は、まだ生暖かい感じだった。

ジェーンが誠司の後ろに立った。

「セイジ・・・・・・」
ジェーンが心配した様子で声を掛けた。
誠司の背中は、どこか切ないものを感じる。

「ジェーン・・・・・・すまない。つい、きつい言い方をしてしまって・・・・・・」
誠司は、振り向きざまに謝った後、再びジェーンに背中を向けた。

「ソレワ、イイケド・・・・・・オ兄サンモ私モ悪気ガアッタワケジャナイノ」
ジェーンは、誠司の横に立って弁解するような言い方をした。

「わかっている・・・・・・つい感情的になってしまったけど、俺はフラフラなんかしていないんだ」
誠司は、静かに自分の気持ちを強調するように言った。








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