大きなクリスマスツリーの下で
「ソーリー」と、トムは涼に近寄ってすまなそうに言う。

「ジェーン。トムに伝えてくれないか? 気にしないでほしい。どの家でもやっている兄弟ケンカだから、心配しないでほしいことを」
涼は、ジェーンに英語で伝えてほしいことを頼んだ。

ジェーンは、涼の言葉をそのままトムに英語で伝えた。

「ジェーン・・・・・・・すまなかった。誠司とは、冷静に話すはずだったけど。つい言いあいになってしまった。みっともないところを見せてしまって・・・・・・」
涼は苦笑いをして謝る。

「せっかくフルーツを用意してもらったから、いただくよ」
涼は、場の雰囲気を変えるため盛りつけられたフルーツの中から、スイカを手にした。

「うん、美味しい。二人も食べたら? 」
涼がフルーツを勧める。

ジェーンはメロンを、トムはスイカを手にして口に入れた。
二人は、誠司と涼との関係を険悪にさせたことが気がかりで、素直に美味しいとは思えなかった。
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