大きなクリスマスツリーの下で
朝食時、涼は積極的に話かけた。

涼自身、誠司との言い合いで座をしらけさせてしまったことが気になっていた。
そのため涼は、誠司のことを気にしていない素振りで明るく話した。
黙ってしまうと、食卓に重い雰囲気が漂うような気がしたからだ。

ジェーンもトムも、涼の気持ちをわかるように笑顔で聞き入った。

朝食を終える頃は、昨夜のことが何事もなかったように明るい雰囲気が包まれていた。


涼は、二人より先に食事を終えて客間に戻った。
淡いカーキ色のジャケットと綿のスボンに着替えた。
そして、スーツケースに荷物を詰め込む。

三十分ほどで帰り支度が終わる。
涼は、スーツケースを持ってリビングに入ってきた。


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