大きなクリスマスツリーの下で
「モウ一度、誠司ト話ヲシテ下サイ」
ジェーンが、涼に頼むように言う。

「わかっている。つい昨夜は感情的になってしまったけど、今から誠司が迎えに来るから、後で一緒にランチでも食べながら話してみるよ」
涼は反省した様子で答えた。

「でも、あいつは変わったな・・・・・・」
「変ワッタ・・・・・・・!? 」
ジェーンが首を傾げた。

「あいつは、初めて俺の言うことに反発したよ。昔は俺の言うことは、なんでも聞いていたのに・・・・・・・八年も経てば、あいつも変わるんだな・・・・・・」

涼は苦笑いする。
涼の言い方は、どこか誠司のことを誉めているようだった。

「デモ、遅イワネ。モウ来テモイイ頃ナノニ・・・・・・」
ジェーンは、腕時計を見て時間を気にした。

誠司は、八時三十分に迎えに来ることになっている。
その時間は過ぎている。

ジェーンは、誠司に連絡しようと思った瞬間、ジェーンの携帯電話が鳴った。
相手は誠司だった。




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