大きなクリスマスツリーの下で
それからの誠司は、仕事に専念した。
積極的に休むこともなく仕事をした。

くじけそうな自分を立て直すには、仕事が必要だった。
その結果、オーナーに認められてレストランを任せられるようにもなった。

誠司は、八年前にアメリカに来た時の気持ちで、ニューヨークへ行こうと思った。
もう一度、自分の可能性を信じて、自分を試してみたい。

そのことを涼に言っておきたかった。

誠司は、国際線の出発ゲート前までやって来た。

ゲート前には、人が立ち並んでいる。
周りを見渡したが、涼の姿はなかった。

ゲート周辺には売店が並んでいる。

誠司はあせった。
もしかしたら、まだ涼は空港に来ていないのではないか。
そう思うと、不安を抱き必死になって一軒ずつ店の中を探した。







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