大きなクリスマスツリーの下で
突然、涼が思い切ったようにハイボールを一気に飲むほした。
そして、カウンターの中にいるバーテンダーに同じものを頼んだ。

「昨日は、おまえにきついことを言ってしまって、すまなかった。おまえはフラフラなんかしていない」
涼は、真顔で誠司に向って言う。

「えっ!? 」
誠司は、涼の思いがけない言葉に驚いた。

バーテンダーが、涼の前にハイボールの入ったロンググラスを置いた。

「おまえは堪え性がないと、おふくろが口ぐせのように言っていた。そのおまえが、八年も異国の地でがんばってきたんだ。本音を言うと、おまえはよくやっているよ」

涼は、グラスを持ちながら、おだやかな口調で誠司を誉めた。








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