大きなクリスマスツリーの下で
「旅館の経営っていうのは、けっこう大変なんだ・・・・・・おまえでもいてくれたら、どれだけ心強いかと思う時があるんだ」

涼の言葉には、男としての弱さみたいなものがある。
誠司にとって、そんな兄を見るのは初めてだった。
しっかり者の兄が、どこか小さな男に見えた。

「だが、おまえを見ていると、俺もがんばらなきゃいけないと思ってきたよ」
涼は、自分に言い聞かせるように言った。
その後、ハイボールを飲むほした。



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