大きなクリスマスツリーの下で
「ニューヨークに行く準備は、ほとんど終わったよ」
誠司は、思い出したように、エミリーから聞かれたことを答えた。

二人は歩き出す。

「今は、どこに住んでいるんだ?」
誠司が、スープンでアイスクリームを口に運びながら尋ねた。

「今ハ、シアトルニ住ンデイルワ」
エミリーも食べながら答えた。

「休暇で帰って来たのか? 」
「エエ・・・・・・」

「旦那さんも一緒に? 」
「彼ハ、シアトルデ仕事ガアルカラ、私ヒトリデ帰ッテキタノ」
「そう・・・・・・」

「セイジ・・・・・・御免ナサイ」
エミリーは、突然真顔で言う。

「えっ!? 」
誠司は、口元にアイスクリームを運ぶ動作をやめた。





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