大きなクリスマスツリーの下で
「どうして、自分に会いたいと思ったんだ? 」
誠司が気になったことを聞いた。

「セイジガ、ドウシテ、ニューヨークヘ行コウト思ッタノカ、本当ノコトヲ聞キタカッタノ? 」
エミリーが、誠司を見つめたまま聞いた。

「もう一度、この国で自分を試してみたいと思ったんだ。ただ、それだけだ」

「ソウダッタノ・・・・・・セイジラシイ・・・・・・」
エミリーは、どこか案心したような言い方をした。

「自分らしいって・・・・・・? 」
誠司が首を傾げる。

「セイジ、ヨク言ッテイタジャナイ。人生ハ、チャンスト、チレンジーダッテ・・・・・・ソノ気持チデ、ニューヨークヘ行クンデショ・・・・・・」
 
「そうだな・・・・・アメリカに来た時は、その気持ちだけが自分の支えだった。でも、八年もこの国にいるのに、まだ何をやっていきたいのか、わからないような気もするよ・・・・・・」

誠司は、苦笑いをしながら本音を言う。






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