大きなクリスマスツリーの下で
「マダ、コレカラジャナイ」
急にエミリーが立ち止まって、強い口調で言った。
誠司は、その言葉に足を止める。

「セイジハ、一生懸命仕事ヲヤッテ、認メラレテ、ニューヨークヘ行クンデショ。自信ヲモタナイト」

エミリーは、励ます言い方をする。
その言葉には、暖かさみたいなものがある。

「ありがとう」
誠司は晴れやかに言った。

園内にアナウンスが流れた。
パレードが始まる案内だった。

「行こうか」
誠司が誘う。

二人は、アイスクリームのカップをごみ箱に入れて、パレードのある通りに向った。







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