大きなクリスマスツリーの下で
花火が終わると、観客は出口のゲート門へ歩き出す。

二人は、人の流れのまま歩きゲート門までやってきた。

「ひとつ聞いていいかな? 」
誠司は、思い出したように聞いた。

「ナニ?」

「バカヤローっていう言葉、どこで知ったんだ? 自分は君にそんな言葉を教えた覚えはないけど・・・・・・」

「アァ・・・・・・ソノコトネ・・・・・・」
エミリーはバツの悪い顔をする。

「偶然ニ、日本ノ映画ヲ見タラ、タイトルガ『バカヤロー』ダッタノ」
エミリーが言ったのは、以前にレンタルビデオで借りたものだった。

「ソレデ、ドウイウ状況デ、ソノ言葉ヲ使ウノカヲ知ッタノ・・・・・・デモ、セイジト別レ際ニ言ウナンテ、思イモシナカッタ。御免ネ・・・・・・変ナコト言ッチャッテ」

エミリーが苦笑いをする。







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