大きなクリスマスツリーの下で
「ソレジャ、ソロソロ、行クワネ」
エミリーは、腕時計を見ながら言う。

「サヨウナラ」
エミリーが先に別れを言う。

「さようなら」
誠司も別れを言う。


エミリーが、誠司に背を向けて歩き出す。
しばらくして、足が止まる。
振り返り、誠司の方に一礼をした後、再び歩き出す。
やがて、人混みの中へ消えて行った。

誠司は無言のまま、エミリーを見送った。


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