魔法の栄える国
ふいに、どこからか、声が聞こえてきた。
「…ファ、エーファーー、待ってぇ~!!」
透き通るソプラノの幼い声…
「待てよ~。エファはえーよ!!」
静まりかえった林によく響く声、幼い男の子のようだ…
目を凝らしてみると、木々の間から、2つの影が近づいてくる…
誰…だったかな?
思い出せないけど、俺はこの2人を知っている…
懐かしい…
この声を聞いていると、胸が温かくなる…
俺は、この2人と遊んでいるのがすごく好きだった…
「なんだよーそっちが遅いんだよ!!」
俺…というか、まぁ俺にわ変わりないんだけど
今の俺の目線はすごく低い…
俺の目線が入っている人物の背がちっさいからだろう…
ということは…ちっさい時の俺、
が、走ってきた少年に言った。
炎が燃えているような、真っ赤な髪をもつ少年だ…
その真っ赤な髪を短めに切っていて、好き放題にはねさせている。
…まぁ、簡単に言えば、ボサボサ状態。
瞳が、闇よりも深い黒色。
そして、幼い少年にはあわない、切れ長の眼が印象的だ…
「はぁはぁ…2人とも速すぎるよぉ…」
息を切らせ、涙目になっている少女を見て、俺は笑った。
「もう!!そんなに笑わなくてもいいじゃない」
つややかな少しうねりのある長い黒髪を風になびかせて、スカイブルーの瞳に涙を浮かべた少女は、少しおおげさに口をふくらませて言った。
「あはは…ごめんごめん、大丈夫??」
俺は、笑いながら少女に近づいた。
…そこで俺は異変に気がついた