恋雨‐koiame‐




それから
数分たったあと
宏樹がやってきた。



それまでに
涙拭き取ったし
涙の後も残ってないはず。




「どしたの
なんか借りてるものでもあったっけ?」



出来るだけ
明るい声を出したつもり。


だからお願い。
泣いてることなんか
気付かないで…。





少しあたしの顔を見た気がするけど

何も言わないなら
気付いてない…?





「あのさ、

俺、やっぱり―…」








.
< 43 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop