恋雨‐koiame‐





上を向いている。
泣きそうなのをこらえてる?



「……はい。
思いっきり泣けば?」



タオルを渡す。

泣きたいなら泣けばいい。

泣きたいときに泣かないでいつ泣くの。





「さんきゅ」



数分、紀田は声を出さずに涙だけ流し続けた。




泣いていた。






「タオル、洗って返すよ」


「当たり前じゃん」


「ふはっ!
お前おもしれー!!」


「はっ?なにが!!」




泣いていたと思ったら
今度は大笑い。



なに、コイツ!!





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