七日間ゲーム


病院のテレビでそのニュースを見ていた呉羽の母がリモコンでチャンネルを変えた。

嗚咽を漏らしながら泣く。


「何で……また呉羽が記憶喪失なんかに……」


母の背中を父が優しく叩き、なだめる。


「贅沢言うんじゃないよ……?呉羽が帰ってきてくれた、それだけで満足じゃないか。記憶なんてまた新しく作ればいいんだ……。前のようにな


ニュースでも言ってたように、僕たちもまた振り出しに戻ってしまうけど、弱音を吐かずに頑張ろうじゃないか」


と優しく言う。


母は少し吹っ切れたのか、少しだけ微笑んで、


「そうね」


と答えた。

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