夢幻の姫君
翌日、東原がいない学校に美羅と行った。

 教室に俺達が入ると、ひそひそ声になった。
前の俺の剣幕にビビッタのか、美羅性格変化にビビッているのか……

そんな周りを気にしないように、昨日までの桐生美羅にはありえない発言をする。

「単刀直入で悪いけど、ののに罵声を浴びせた奴と黒板に落書きしやがったのは、ダレかな?」

うわ………しやがったって言いましたよこの人。笑顔で言っているのがまた怖いな。
 うん。こいつだけは敵に回してはいけない。身が危険だ。

美羅の発言に驚いた奴と、ビクついた奴がいた。

 わかりやすいな。チョロすぎる。 やるなら最後まで隠さないと。つめが甘いな。
まだ、汚い事を知らない高校生だもんな。しゃーねーか

「へぇ…………キミタチなの。やった人」

 美羅は冷たい笑みを浮かべた。うわ…キャラ崩壊だな。かわいそうに。明日生きてるかなこいつら。 同情するよ。 相手が悪かったな。何せ育てたのがあの腹黒い高杉親子……

 ゾクッ

なんか、今変な感じがした。ああ、あの人達もまわしてはいけないな敵に。危険だ。精神的に。

「ご、ごめんなさい。た、立花に逆らえなくて……」

ピクッと美羅の眉毛が動いた。 あ~あ知らねぇよ俺。
< 101 / 210 >

この作品をシェア

pagetop