夢幻の姫君
5章: 新たな来訪者と世界

美羅への来訪者

ののが退院し、学校に来た日、立花がいないことに驚いていたようだが、当たり前だ!! とプンプン怒っていた。

 ひとまず安心したところに、クラスメイトがやってくる。

「美羅ちゃん、新名先輩が呼んでるよ?」

ついに、と思った。血縁である事は間違いなさそうだ。バレたか?

「うん。いま行く」

私が意を決して、新名の元に行く。 隼人から殺気が感じられたが、新名の事は高杉しか知らないはずだ。 何だろう?

「お呼びですか?」
「あぁ。君が美羅ちゃん? ここじゃ何だから外に行こうか」
「ココでいいと思いますけど、私に何か“新名先輩”?」

移動するなと暗に言っているのが分かったのかわからないが、そのまま奴は話す。
 小声になって。

「翔兄さんの事は覚えてらっしゃるでしょう? “実験動物”さん?」
「存じ上げませんね」
「またまた……。高杉健人がいる時点で分かっていますよ」

チッと思い眉を寄せて、何か言おうとした瞬間、予鈴が鳴った。

「では、今日はこれにて。またお話しましょう。 逃げられると思わないでくださいね?」

新名はそういって去った。
 美羅は怒り心頭だったのでその時は気づけなかった。

その声に










「見つけた……………」
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