夢幻の姫君
「美羅、新名先輩と何話してきたの? さては告白か~?」
「違うって…………」

何でそうなる。 ぜんぜん甘い雰囲気じゃないでしょうに。
 ため息出るよ。 ハァ……
あなたが一番幸せな思考を持っていそうだ。うん。こういうところは、ね。

「やっぱり? 何か雰囲気違ったし、美羅は新名先輩知らなかったもんね~」
「わかってたなら訊くな!!」

ぜったい面白がってる。ニヤニヤしてるもん顔が。
 でも見ているほうがあたしの後ろなんだよな~。
 何で隼人君見てるのかな? ののさん

「なんで、隼人みてニヤニヤしてんの?」
「うん? 面白くて」
「なんで?」
「…………これは苦労するわね~」
「誰が? そして何が?」

意味が分からない。後ろでガタッと音がしたと思ったら、隼人が席を立ってどこか行ってしまった。
 頬が赤かったな、風邪かな?

「隼人、気分悪かったのかな? 顔赤いし」
「……………あんた最強だよ。美羅」
「えっ? 何?聞こえなかった」
「うん? 隼人君風邪かもね。って言った」

やっぱりそうなのかな? 真琴に言って体に良いもの作ってもらおうかな?

真剣に考えているうちに、ののが呆れ顔でため息をついていたなんて気づかなかった。





「はぁ……鈍感って最強ね」
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