夢幻の姫君
帝位が・・・・・・ とかいっていたのは、おそらく王位継承の話だろう。

 話の流れからすると、

私は、“陛下”の子ではない
     ↓
陛下には子がいなかったが、花姫が生まれる。
     ↓
   私が邪魔
     ↓
    追放

だろう。だから私はここから出た。

 でも、姫はそれを望んでなかった。国民も。
それをわかっていてもおかしくは無い私は、どうして出たのか。

――――愛――――

なのかも知れない。愛されたかったのかもしれない。
 気を引きたかった。出れば想ってくれると思って。

でも、意味の無かった事なんだろう。今のを見る限りは。
 名前を呼ばれない。いや、名前すら覚えてないのかもしれない、国王は。
だから、レンは嫌悪感をあらわにした。

 でも疑問がある。私を絶望に落としたらしい彼は、どうして私のために怒っているのだろう?

「まだ、そんな事言っていらしたんですか?」

レンの冷たい声が、響いた。
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