夢幻の姫君
「俺は夏の国の王だ・・・」
「「それが?」」

冷めた目で見る。

「王様にそんな事言うのお前らだけだぞ・・・」
「そんなのわからないじゃない。影では・・フフッ」
「私のほうが人気が高いぞ」

リツを追い込む私とミィ。 楽しくなってきた。ワクワク。

「やめたげて」
「可哀そうですよ」

そこにレン、いやアキと健人が入ってきた。
 私の表情は固まった。 彼らも柔らかくはない。

「クー・・・」
「健人は、ケイは最初から知ってたの?」

何を、なんて聞かない。お互いにわかっているから。

「あぁ」
「そう。」

会話が続かない。そこには事実がある。受け入れにくい事実が。

「でもっ!!」
「知ってるよ。同情だとしても、私のためにしてくれた事。アキに連絡しなかった事」

ケイを見ると、こらえる様に下唇を噛んでいる。そのまま顔を逸らしてしまった。

「クー、返事は・・・」
「すぐになんか出せない。いろいろ知りたい事もある。お互いにいけなかった事もあるし。聴ける様にしてたけど、彼らに言わなきゃならないし」
「彼ら・・・?」

ケイと、アキは首をかしげる。

「おいで・・・」

私は虚空に呼びかける。
 そこに扉が現れて入ってきた。

眉間にしわを寄せたあの5人が。

「あっ・・・」

ケイがしまった・・・って顔をしている。

 知らないよ。私は。

「こんの、クソ親父~~~~!!」

真琴がキレた。
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