夢幻の姫君
「何で分からないかなぁ?」
「基本アホだから」
「なるほど」

二人は小声で何か言っている。何? 聞こえないよ?

「まんま」

え? 何? まんま=ご飯? どういう事?
 私の思った事を悟ったらしいエスパーなののは言う

「そのまんまって事。忘れないように、だって。国を。……知らないのに」

最後の呟きは聴かない事にした。
 これから知ればいい国の事は。そして国が落ち着いてから。
 汚いものを知らないで欲しいと思うのは、ただのエゴなのかも知れないけど。

 ただ、笑ってて欲しいから。陰りは、見たくない。


 それにしても、ノーノとのの、か。確かにな。 そのままだ。
まんまって…… 方言入っているのかな? ご飯かと思ったよ。まったく。


「それにしても・・・」

 いきなりそうののが言った。
   
何?

「これ……どうしよう」

そう言われて、周りを見ると――――


風が収まった周りは机が壊れ(もしくは歪み)、そこにいた生徒は壁にもたれ、気を失っていた。

 翔達だけは、見回しても見つからなかった。
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