夢幻の姫君
翔達がいた方をじっと見ていると、怪我をした足を引きずったように跡が出来ていた。

「チッ。逃げられた」

そう呟くと、横からきらきらした目で見られた。

「美羅! 今のかっこいい!! 美羅が男だったら…」
「……東原、それどころじゃないから」

変な二人は放っておいて、どうしよう…

 そうだ!! 良い事思いついた!!

ふふふ、と笑っていると変な二人に変な目で見られた。

「絶対、いいことじゃないから」

隼人が言った。

 断言!? そんな言ってもないのに決め付け?! そして何故分かる。

やっぱりエスパーだろう。素晴らしいな、私の周りはすごい人ばかりだ。

「ただ漏れなだけなんだけどね」
「それに気づかないほうもどうかと思うが……」

「と・に・か・く、聴け!!」

そう言って聴く気になった二人に方法を言う。


「何とまぁ。簡単なほうにいきましたね。シンプルだ」
「それ、お前しか出来ないから。まぁでも、ましな意見だった」

失礼な事を言った奴の事は一睨みした後、言う。

「じゃ、また明日。今日のことは誰にも言うなよ?言ったら―――分かっているよな?隼人」

そう言ったら、首を縦にブンブン振った。
 そして、その場で解散した。
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