夢幻の姫君
会社に向かう車の中で
「美羅、大胆ですね? 男二人の〝手を握って〟車に乗るなんて」
明日が見物ですね? とニヤニヤしながらそう言っていた。
――――怜斗が。
うん。そうなんだ。君もそうなんだね。やっぱり腹黒い奴に育てられるとそうなるんだね。勉強になりました。
「で、手離してくれないの? ちょっと……」
そう言っても、怜斗は、ん?と微笑んだまま首をかしげ、隼人は外を見ていた。
「聞けよ!! 主の言う事は!!」
怒ってそう言うと、
「出てったクセによく言いますね。命令は、時と場合によって聞く事は出来ませんので」
笑顔で言われた。クソッ ムカツク。すっげーむかつく。
真琴に。
「何で!?」
どうやら口に出ていたらしい。隼人がそう突っ込んできた。
「だって真琴の下じゃなかったら、怜斗は紳士なカッコイイ男の人になっていた筈なのに、隼人は不器用でも意地悪でも腹黒くならなかった筈なのに~~!!」
車の中でそう叫んでしまった。
二人は顔を見合わせ、苦笑いしながら二人で静かに会話をする。
「俺、昔からこんなんだと思うけど。腹黒いのはコイツもだし」
「まぁ、そこは黙っとけ。イメージは崩してはいけないよ。……真琴には悪いが」
「俺の内容は褒められているのか、貶されているのかわからんぞ」
「落ち着け。そこは………良い様に考えるのが一番だ」
「おい。」
私が訝しげに見ている事に気づいた二人がそこで会話をやめた時、丁度会社についた。
「美羅、大胆ですね? 男二人の〝手を握って〟車に乗るなんて」
明日が見物ですね? とニヤニヤしながらそう言っていた。
――――怜斗が。
うん。そうなんだ。君もそうなんだね。やっぱり腹黒い奴に育てられるとそうなるんだね。勉強になりました。
「で、手離してくれないの? ちょっと……」
そう言っても、怜斗は、ん?と微笑んだまま首をかしげ、隼人は外を見ていた。
「聞けよ!! 主の言う事は!!」
怒ってそう言うと、
「出てったクセによく言いますね。命令は、時と場合によって聞く事は出来ませんので」
笑顔で言われた。クソッ ムカツク。すっげーむかつく。
真琴に。
「何で!?」
どうやら口に出ていたらしい。隼人がそう突っ込んできた。
「だって真琴の下じゃなかったら、怜斗は紳士なカッコイイ男の人になっていた筈なのに、隼人は不器用でも意地悪でも腹黒くならなかった筈なのに~~!!」
車の中でそう叫んでしまった。
二人は顔を見合わせ、苦笑いしながら二人で静かに会話をする。
「俺、昔からこんなんだと思うけど。腹黒いのはコイツもだし」
「まぁ、そこは黙っとけ。イメージは崩してはいけないよ。……真琴には悪いが」
「俺の内容は褒められているのか、貶されているのかわからんぞ」
「落ち着け。そこは………良い様に考えるのが一番だ」
「おい。」
私が訝しげに見ている事に気づいた二人がそこで会話をやめた時、丁度会社についた。