夢幻の姫君
「高杉副社長?!なぜこちらに?」
古西さんは驚いたようにそう言った。
「私の大切なお客様が来ると連絡があったので待っていたが来なくてね。おりて来たらいた、と言うわけだ。………元気か?」
穏やかな表情のままそう言うと私の方を向いて言った。
「元気だよ。ケガは無し!!…久しぶり、健人」
そう言った私に健人は満足そうに笑った。周りからはえっ、という声が聞こえた。
え? いや、私もえ? なんだけど。
兄弟の方を見るとなんでか分からないといった、不思議そうな顔をしていた。
「ふ、副社長をよ、呼び捨て?!」
あ~、うん。なるほど。そういうこと。偉い人は呼び捨てが出来ないのね。 まぁ見た目も非の打ち所がなさそうに見えるけどサ。あ。これは兄弟もか。いや、優と和哉は………うん。まぁ。アレだよ。ゴホン……考えるのやめよう。
「あ、美津乃(みつの)さん。私に用があるのなら、そこの3人に言っておいて下さい。後で来ますから」
古西さんはみつのというらしい。変わった名前だ。でも、私の周りに〝美〟がつく人多くないかなぁ? 気のせい、にしておこう。
「わかりました」
そうか一緒に来ないのか・・・。なんだか、寂しい・・・
ハッ……寂しいなんて。別にすぐに会えるのに。どうして――――――
「あと―――」
健人が何か言おうとした時、現実に戻された。
「さっきあなたが言っていた、〝けじめがない〟と言うのはどういう人に対して言ったのかよく考えていってください」
そう笑顔で言って、私の手を引きながらエレベーターに向かって歩いていった。
見てたんかい!! 性格悪っ!! お前が親玉か!!
後ろを見ると古西さんと話す3人が見える。見たとき感じたモヤッとした感情には気づかないようにした。
健人は、美羅の変化を見て取ると驚いた顔になったが、それは暖かい表情に変わった。親が子供の成長を喜ぶような、そんな顔に。
後ろから冷たい、嫉妬と怒りを含んだ大人気ない視線を受け、どれだけ心狭いのと思いながらも後ろを振り向いたときに、ニヤッと口角を上げて勝者の笑みを浮かべた。
その息子達がどんな顔になったかは、まぁ想像通りだと思う。
古西さんは驚いたようにそう言った。
「私の大切なお客様が来ると連絡があったので待っていたが来なくてね。おりて来たらいた、と言うわけだ。………元気か?」
穏やかな表情のままそう言うと私の方を向いて言った。
「元気だよ。ケガは無し!!…久しぶり、健人」
そう言った私に健人は満足そうに笑った。周りからはえっ、という声が聞こえた。
え? いや、私もえ? なんだけど。
兄弟の方を見るとなんでか分からないといった、不思議そうな顔をしていた。
「ふ、副社長をよ、呼び捨て?!」
あ~、うん。なるほど。そういうこと。偉い人は呼び捨てが出来ないのね。 まぁ見た目も非の打ち所がなさそうに見えるけどサ。あ。これは兄弟もか。いや、優と和哉は………うん。まぁ。アレだよ。ゴホン……考えるのやめよう。
「あ、美津乃(みつの)さん。私に用があるのなら、そこの3人に言っておいて下さい。後で来ますから」
古西さんはみつのというらしい。変わった名前だ。でも、私の周りに〝美〟がつく人多くないかなぁ? 気のせい、にしておこう。
「わかりました」
そうか一緒に来ないのか・・・。なんだか、寂しい・・・
ハッ……寂しいなんて。別にすぐに会えるのに。どうして――――――
「あと―――」
健人が何か言おうとした時、現実に戻された。
「さっきあなたが言っていた、〝けじめがない〟と言うのはどういう人に対して言ったのかよく考えていってください」
そう笑顔で言って、私の手を引きながらエレベーターに向かって歩いていった。
見てたんかい!! 性格悪っ!! お前が親玉か!!
後ろを見ると古西さんと話す3人が見える。見たとき感じたモヤッとした感情には気づかないようにした。
健人は、美羅の変化を見て取ると驚いた顔になったが、それは暖かい表情に変わった。親が子供の成長を喜ぶような、そんな顔に。
後ろから冷たい、嫉妬と怒りを含んだ大人気ない視線を受け、どれだけ心狭いのと思いながらも後ろを振り向いたときに、ニヤッと口角を上げて勝者の笑みを浮かべた。
その息子達がどんな顔になったかは、まぁ想像通りだと思う。