夢幻の姫君

潜入と接触

「英語……」

あまりに英語科の所に行くのがショックで、そうぼやくと

「しつこい」

と隼人にばっさり切られた。

「だって!!」

反論しようとすると

「煩い」

さらに切られた。何か冷たい。最近冷たい……

 ジトッとした目でみつめていると、睨み顔で返された。
近づいて下から隼人を見上げていると、ちょっと困った顔をしていた。

「俺だって嫌だよ……。でも、受け入れなきゃ進めないだろ?」

そう言われて、反論するのを止めた。

「明日かぁ……」

そう、転入するのは明日。覚悟を決めなければ。

「どんだけ嫌なんだよ。英語」

「わぁっ………ビックリした…」

驚いて後ろを振り返ると背後から声をかけたのは真琴だった。
 驚き声に不満を持ったのか

「色気のねぇ声……」

「黙れ」

 文句言うな!! だってキャッとか言えないんだもん。
へっ……どうせ私は色気の無いガキですよーだっ。

「その資料……何か問題でも?」

真琴が持っていた紙をみて、隼人が聞いた。

「実は満月学園には、立花菜々子がいるんです」

え? 立花菜々子?
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