夢幻の姫君
「誰?」

そういうと真琴は困った顔をし、隼人は眉間に皺を寄せた。

「たしか同じクラスだった筈だけど……」

「美羅にナイフ向けた奴だよ。東原傷つけた奴」

隼人の雰囲気が鋭くなった。それを聞いた真琴も目を細めた。

「あぁ、そっか」

そう言って私が納得すると傍では

「それ、聞いてねぇ……」

「言うなって言われたしな」

「消すか。ソイツ」

「手伝うよ。それに異論は無い」

「消すな!!」

おいおいおいおい……消すとか言わない。怖いから。
 って法に触れてるわぁ!!

そう言っていると、隼人に怪訝な顔をされた

「お前……知らねぇの?」

「何が?」

そう訊くと、真琴が言ってねぇしな、と隼人に言っていた。
 怪訝な顔をしていると、そのうち分かると言われた。

えぇ~と不平を漏らしても無視された

「で、どうする?」

「アレくらい放っておいても、問題ないだろう」

「ならなんで来たんだ」

「邪魔だったか?」

真琴はニヤニヤ顔で隼人を見た。
 隼人はそれを睨んで黙らせた。

「無視すんなーーーー」

廊下に美羅の声が響いた。
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