夢幻の姫君
ガラッ

そう扉を開けると、見えたのは―――――
 黒髪の清楚なお嬢様から、今でも居るの? と思う縦巻きロールさんから派手な人までたくさん居た。
 男子はあまり変化無いけど、ヤンキーっぽい人はピ、ピアスがたくさんついていた。

 
 お前ら、令嬢子息だろーが!! 何だその格好は!!


と、叫びたがったが、もちろん言わなかった。 出来れば近づいてきて欲しくありませんなんて、思いませんでしたよ? ええ。

「今日からこのクラス転入された、桐生美羅さんです」

そう、先生に言われて慌てて礼をする

「よ、よろしくお願いいたします!」

顔を上げると、苦虫を潰したような顔をした生徒と目が合った。

 ゲッ……同じクラスかよ…立花菜々子

まっ、害なければいっか。

「桐生さんは、飯坂君の隣があいているのでそこに座ってください」

そう言われて、行ってみると犬のような、人懐っこそうな男の子だった。

「俺、飯坂啓汰(いいざか けいた)。よろしくな!」

やっぱり印象道理だった、太陽のような子だ。う~ん。私の周りとしては初めてのタイプだ。
 それにしても、刺すような視線が痛い。チクチクする。何故。

ん~? 何かなぁ、彼女とか? いてもおかしくないよね。犬だし。飼い主か?

桐生さん? と、怪訝な顔をされたので慌てて返した。

「こちらこそ、よろしく。ところで、彼女いる?」

そう訊くと、顔をシュッと赤く染めた。

 うわぁ~可愛いな。純情なんだね~。うちは腹黒いヤツばっかりだからなぁ~新鮮だ。

「な、何で分かったの!?」

焦ったように、こそこそ言うのが可愛らしい。 
 
 嫉妬の目線が、増えている事に気づいてください。

 背中めっちゃ痛いんです~
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